トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2022/11/20

 今回は相談事例を通じて、数次相続についてご紹介します。

 夫が亡くなってすぐに、一人息子のAが急逝してしまいました。Aのお嫁さんには、夫の介護から私の話し相手までお世話になり本当によくしてもらったので、夫の遺産もできれば分けてあげたいです。Aが亡くなってしまった今、お嫁さんに渡すのは問題ないでしょうか。また、夫にはAの他に子どもはおらず、Aにも子どもがおりません。誰が夫の相続人となるのでしょうか。

 ご主人の遺産分割を終えることなく一人息子のAさんが亡くなったのですね。それならば、亡くなったご主人の遺産をAさんの妻(以下、Bさん)が相続することは問題ありません。ご主人の相続人は相談者様とBさんのお二人となるからです。

 ご主人が亡くなられた当時の相続人は、妻である相談者様と子である息子のAさんお二人でした(民法第887条第1項、第890条)。

 しかし、ご主人の遺産分割がされる前にAさんが亡くなられたため、Aさんの相続人もご主人の相続人となるのです。本件では、Aさんにはお子さんがいないということですので、Aさんの相続人は妻であるBさんと相談者様のお二人です(民法第889条第1項第1号、第890条)。

 このように最初の相続について、遺産分割を終えることなく次の相続が起こった状態を、一般的に「数次相続」といいます。
 上記を踏まえると、Bさんは亡くなったご主人の相続人にあたりますので、ご主人の遺産を相続する権利があります(民法第898条、第899条)。

 もし今、自分に相続が開始した場合に、相続人にはならない方にお世話になっており、遺産をあげたいと思うような方がいるのであれば、遺言書を作成しておくことをおすすめします。



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